前回の記事では光色についてお話させていただきました。
さて、今回は光の色だけでなく、光の演色性(Ra)について考えていこうと思います。
設計をされている方には耳慣れた言葉かと思いますが、、
そうでない方には「なにそれ?初めて聞いた」という方もいらっしゃるかと思います。
Raのことは正しく言うと『平均演色評価数』と言います。
これは分かりやすく言うと、色基準として決められた8色を、ある光で照らしたときに
自然光で照らしたときと比べどれだけ近いか遠いかで、物の見え方の良し悪しを判断するというものです。
したがって、一般的には、これが高い方がモノがキレイに見えるという事になります。
ただし、これが商業施設、特に飲食店や食品、物販店ではどうでしょうか。
商業施設向け照明の採用基準として、Raの高さのみを追求する風潮も一時的にはありましたが、
現在はそれも弱まってきているように感じます。
とはいえ、ある程度の高演色性はキープしつつという前提ですが。
つまり、『自然に見える事=売れる事』ではないという事に、
ユーザーの方も徐々に気づいてきているという事なんです。
“自然”と“効果的”な見え方のどちらに比重を置くのかは議論の分かれるところですが、
『自然に見えるけど売れない』のと『効果的に見えて売れる』のとでは
経営者がどちらを選ぶかは一目瞭然ですよね。
ちなみに、本当の意味で自然な光、演色性を求める場合、
ファストファッション系、スポーツショップ、ジュエリーショップなどであれば、
正午の自然光にあたる5000K(ケルビン=光の色を示す単位)の高演色型照明を使うことになりますが、
お店によっては光が青白すぎてしまうことがあるので、仮にそうしたご要望があっても
より効果的でお店全体のバランスを考えた雰囲気重視のものを選ぶと良いと思います。
次回は8/24(金)頃、更新の予定です。
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