設計を担当されたIsoe様による基本計画をベースに、LighCoでは照明計画のサポートを担当いたしました。

しっとりとしたインダストリアル感が漂う空間と、壁面のゴシック調ミラーによるクラシカルな要素が調和した店内をより引き立てる照明計画を検討。

メインのカウンター下には同店のネオンロゴと同系色の間接照明を配し、店舗としてのカラーの統一感と動線のホスピタリティとを両立しています。

カウンター上部にはペンダントタイプのエジソン電球型LEDランプが設置され、やわらかな光が店内に心地よい賑わい感を生み出しています。
また、壁面には裸電球のブラケットランプが効果的にあしらわれ、各所に設けたスポットライトと合わせて、温かみのある上質な空間を実現。

この照明計画協力により、日常使いからパーティーまで幅広いシーンに対応可能なイタリアンバルの空間づくりをサポートしました。


[設計者コメント]
色に引き込まれる地下の隠れ家 ピザイタリアン既存店改修プロジェクト

渋谷道玄坂の隠れ家のような位置にある地下のお店。

長く営業しており、各所に経年の痛みが見られるため、一部既存を生かしながら改装を行う必要があった。
そのため、全体のデザインバランスを再構築することから始め、一つずつ丁寧にデザインを進めた。
長年の営業や改装でバラバラになっていた色や素材をグレーと赤系でまとめ直し、従来とは少し異なる、少しだけ大人なCONAを目指した。

入口はやや狭い空間だが、奥へ広がる空間への期待感を持たせる構成とし、グレー、赤、錆茶、暖色系の照明器具を使用してシックな色合いの中にも、ピザの具材や釜の火からインスピレーションを得た赤色を効果的に配色し、ワクワク感を演出している。
また、既存壁面が平滑でないことを活かし、モルタル風のエイジングを施すことで、洞窟のような地下独特の雰囲気を演出している。壁面の所々にミラーやアクリルなどを配置し、照明の反射でキラキラとした艶感を出すディスプレイにすることで、空間に変化を持たせ、程よい落ち着きとワクワク感のバランスをとっている。

渋谷の喧騒から離れ、落ち着いた隠れ家のようなこの場所に、ぜひ足を運んでいただきたい。

文/Isoeデザイナー鎌田